セブ島の治安は危険?旅行者よりも留学生に多い犯罪事例や対策方法

物価が安く気軽に行ける南国の島フィリピンは、留学先や旅行に人気の国です。フィリピンの中でもリゾート地として有名なのがセブ島ですが、多くの人が気になるのは治安についてではないでしょうか。

そこで今回はセブ島の現在の治安状況や気を付けるべきエリア、犯罪に巻き込まれないような対策方法など、安全に留学や旅行を楽しむポイントを紹介します。

フィリピン全体の治安ってどうなの?

まずはフィリピン全土の治安状況からみていきましょう。

外務省の安全情報をチェック


出典:外務省「海外安全ホームページ

外務省の海外安全ホームページによるとほとんどの地域で「レベル1:十分注意」となり、南側のミンダナオ地域になると「レベル2:渡航検討勧告」「レベル:3渡航中止勧告」と危険レベルが高くなっているところも見られます。
(2021年8月現在)

昔と比べて治安が良くなった

2016年6月にドゥテルテ大統領が就任して以来、フィリピン全体の治安はかなり安定するようになりました。しかしミンダナオエリアはイスラム過激派組織による争いは未だ抑えられておらず、常に厳重な警備体制が敷かれています。

フィリピン国家警察が発表した2018年の全国犯罪統計では、犯罪発生件数は約47.5万件とかなり多いのが分かります。これでも前年比で約4.5万件(約9%)減少しているようです。
犯罪内容の内訳は窃盗が全体の30%、傷害・暴行が28%、強盗が14%、殺人が9%を占めているようです。

フィリピンの危険都市

フィリピン全体で危険な都市を3つ紹介します。

ワースト1位:ミンダナオ島マラウィ市

イスラム過激派(IS)が活動している地域がミンダナオ島のマラウィ市です。この地域はイスラム過激派が占領し、フィリピン政府軍との戦いで破壊された建物で街が廃墟と化しています。

ワースト2位:スールー諸島ホロ島

こちらもイスラム過激派(IS)が占領している地域です。身代金を目的として観光客を誘拐し、隠れ家として使われていると言われています。

ワースト3位:マニラ首都圏

フィリピンの首都マニラは犯罪率が最も高い地域と言われています。その中でもQuezon(ケソン)地域は危険で、窃盗や詐欺などグループ組織で活動しているため、多くの観光客が狙われています。

セブ島の治安ってどうなの?

続いてはセブ島についての治安状況をみていきましょう。

昔と比べて治安が良くなった

ドゥテルテ大統領の努力によってセブ島の治安もかなりよくなり、フィリピンの中でも安全なエリアが少しずつ増えてきました。とはいえ発展途上国であるため、日本と比べて治安が悪いです。

セブ島は数多くの語学学校や市内観光できる場所、マリンスポーツなど楽しめるものが沢山あるため、世界中から多くの留学生・旅行者が集まります。彼らを狙ってスリや置き引きなどの軽犯罪が頻繁に起きているのが現状です。

外国人の留学生・旅行者が「どのような犯罪に巻き込まれるのか」「何に気を付けるべきなのか」については後述します。

セブ島の危険エリア

セブ島は縦に長い島となっており、ちょうど中心部分に位置するセブ市がフィリピン第2の都市と言われています。日本の東京がマニラ、大阪がセブと言われるほど大きな観光地と繁華街でいつもローカルのフィリピン人と観光客で賑わっています。

そんなセブ島には気を付けなければならない地域が3つあります。

  1. カルボンマーケット
  2. コロンストリート
  3. マンゴーストリート

1.カルボンマーケット

カルボンマーケットは肉・魚・野菜・調味料などスーパーより安い値段で販売している庶民の買い物スポットです。狭いエリアに屋台のようにぎっしりと連なったお店は、人とぶつかるほど混み合います。

カルボンマーケットから歩いてすぐのところには観光地で有名な「サントニーニョ教会」や「マゼランクロス」があり、毎週日曜日には数多くのカトリック信者がミサに参加するため集まります。

商品を選んでいる時や教会に入るために列に並んでいる時など、人混みに紛れて貴重品を狙っている人がいるということを常に注意しておかなければなりません。

2.コロンストリート

コロンストリートもカルボンマーケットから歩いていける距離にあり、飲食店、服屋、雑貨屋などのお店が数多く並んでいます。この辺は育児放棄されたストリートチルドレンが多く生活しており、食事や薬物を購入するため金品を盗もうとしてきます。

子供だけでなくホームレスや薬物中毒の大人たちも多く生活しているため、フィリピン人でさえも行きたがらない場所です。

3.マンゴーストリート

マンゴーストリートはクラブやバー、キャバクラ、飲食店などの夜の歓楽街が集まっている場所です。フィリピン人だけでなく外国人も多く集い、酔っぱらっている人や喧嘩している人、ドラッグの売買人が多くいます。

日本人を含めた外国人はフィリピン人にとってお金持ちに見られるため、強引な客引きや高額な請求、貴重品のスリなど軽犯罪が多発するエリアです。

セブ島でよくある犯罪4選

フィリピン全体・セブ島のどちらも命に関わる犯罪数はそれほど多くありませんが、軽犯罪が目立っています。

セブ島はフィリピン国外から来る留学生や旅行者が多いこともあり、フィリピン人よりお金を持っている彼らを狙ってきます。

セブ島では主に4つの犯罪がありますが、どのような犯罪・手口なのか知っておくことで回避することに繋がります。ぜひ覚えておきましょう。

  1. スリ・置き引き
  2. ぼったくり
  3. トランプ詐欺
  4. 睡眠薬強盗

①スリ・置き引き

日本は口が大きく開いたバッグを持っていても、席を確保しておくために荷物を置いておいても盗られることはあまりない安全な国です。しかしフィリピンも含めた多くの国では、「どうぞ盗ってください」と言わんばかりの行動であることを認識しましょう。

正確な数字は分かりませんが、留学生の5人に1人くらいの割合でセブ島留学中にスリにあっています。彼らの多くはポケットにスマートフォンやお財布を入れる、食事中にテーブルの上に貴重品を置く、斜めかけバッグを後ろに背負うといった行動をとっている人がほとんどです。

特にiPhoneはフィリピン人の月給の数倍価格で販売されているので、狙われる確率はかなり高くなります。

②ぼったくり

タクシーに乗車した際にぼったくりに遭うケースがあります。2021年8月時点でのタクシーの初乗りは40ペソ(約90円)で、300mごとに2.5ペソ追加されます。しかし悪質なタクシードライバーは細工したメーターを使い早くメーターがあがったり、メーターを使わず口頭で高額な料金を請求してくることがあります。

乗車時には40ペソから開始されているか、メーターが早く回りすぎていないかチェックすることが大切です。

また小銭がないからおつりを渡せないという理由で、結局高額な金額を支払わなければならないことがあります。100ペソ・50ペソ・20ペソの細かいお札を用意してから乗車しましょう。

③トランプ詐欺

ショッピングモールや道端などで「日本語を教えて欲しい」「日本のことを知るために仲良くなりたい」などといったように親しげに話しかけてきます。

そしてトランプを使ったゲームをしようと家に招待され、「必ず勝てるから」と大金を掛けます。初めのうちは勝っていても最終的には大負けし、大金をだましとられるという手口です。

見た目が悪い人ではなさそうと感じても、知らない人には決してついて行かないことが大切です。

④睡眠薬強盗

睡眠薬強盗は目を離した隙にグラスに睡眠薬が入れられ、寝ている間に金品を盗まれてしまうことです。

きっかけは仲良くなりたいから「これから一緒に飲みに行かない?」、もしくはクラブやバーなお話しかけやすい状況で「別なところで飲まない?」などと知らない人が話しかけてきます。

トランプ詐欺と同様に、知らない人にはついていかないことと自分の飲み物は自分で管理しましょう。

犯罪に巻き込まれないための7つの対策

多くの留学生が被害にあっていますが、犯罪に巻き込まれる人には共通している行動があります。

これから紹介する7つの行動をしないことで犯罪に巻き込まれる確率をグッと下げることができるので、セブ島に入国する前にしっかり理解しておきましょう。

(※下記の行動を行うことで、必ず犯罪に巻き込まれないと言い切れるものではございません)

①夜の一人歩きに注意する

②危険エリアに立ち入らない

③ガイドブックやスマホを持ちながら歩かない

④ストリートチルドレンに近づかない

⑤露出の高い服装や派手な恰好をしない

⑥貴重品は肌身離さず持ち歩く

⑦安全な移動手段を利用

①夜の一人歩きに注意する

犯罪を犯そうとする人は、人けが少なるなる夜10時頃から特に多くなります。先述した「セブ島の危険エリア以外なら夜間でも大丈夫であろう」と考える方もいるかもしれませんが、それは間違いです。

学校やリゾートホテルの敷地内であれば時間問わず出歩くのは問題ありませんが、それ以外は一歩外に出たら危険だと思ってください。滞在先が高級住宅街や高級ホテル周辺だからといっても、お金持ちや外国人を狙って強盗(ホールドアップ)にあうことがあります。

夜間だけでなく日中の人通りが少ない道で出会うこともあるため、昼夜問わずなるべく1人で行動しないことが賢明です。夜間であればどんなに近い距離でも必ずタクシーに乗って移動しましょう。

②危険エリアに立ち入らない

先述した危険エリア以外にも、ウェブサイトやガイドブックに載っていない危険なエリアは数多く存在します。語学学校へ入学した際にオリエンテーションで代表的な危険エリアについて説明があるはずです。また仲良くなった学校の先生や生徒から、危険エリアを聞くこともあるでしょう。

そういった場所にはなるべく立ち入らないようにしましょう。市内観光で危険エリアに立ち入りたい場合は、学校の先生やセブ島にかなり慣れている生徒と必ず同行して行くようにしましょう。

③ガイドブックやスマホを持ちながら歩かない

観光スポットや飲食店など目的の場所に行く時は、ガイドブックを広げたりスマートフォンを使いながら歩かないことです。そういった行動はセブ島に慣れていないとすぐ分かるため、標的にされやすいです。

また、路上で電話をしている時、買物中にお金を支払っている時などふとした瞬間に奪われるケースもあります。万が一その場所で奪われなかったとしても「あの人は大金を持っていた」「iPhoneを持っていた」と分かれば、別な場所でスリや強盗をしてくる可能性もあります。

バッグから貴重品を出す時はなるべく人に見られないようにすることや、使ったらすぐしまうようにしましょう。

④ストリートチルドレンに近づかない

観光スポットのサントニーニョ教会やコロンストリート以外にも、ショッピングモールや飲食店が集まる付近でストリートチルドレンに遭遇します。手を広げて「お金をちょうだい」と言ってくるだけならまだいいのですが、無理やり金品を奪おうとしてくる可能性があります。子供だからと油断をせず、常に気をつけるようにしましょう。

⑤露出の高い服装や派手な恰好をしない

女性やおしゃれに敏感な若者は特に気を付けたいのは、外出先での服装です。

セブ島は一年中気温が高いため、どうしても露出が高い服装になりがちです。また日本と同じ感覚で沢山のアクセサリーや時計をし、おしゃれを楽しみたいと考える人もあるでしょう。

しかし露出が高い服装や派手な恰好はフィリピンでは目立つため、犯罪に巻き込まれやすくなります。スリや強盗に遭うと一生残る傷を負ったり、命の危険にさらされることもあるため、シンプルな服装を心掛けましょう。

ホテルや高級レストランではドレスコードが設定されていることもあるため、TPOに合わせた服装をすることも大切です。

⑥貴重品は肌身離さず持ち歩く

セブ島だけでなくフィリピン全土で言えることですが、貴重品を持ち歩く際は必ず斜めがけのバッグに入れ、抱えるように前に持つことが鉄則です。飲食店ではバッグを椅子にかけたり、スマートフォンをテーブルの上に置かないようにしましょう。

所持金を持つ際は使う分だけ持ち、バッグとパンツのポケットなど小分けにして持ち歩くのもおすすめです。

語学学校内での貴重品管理は、鍵をかけたスーツケースに入れておきましょう。部屋にはルームメイトだけでなくハウスキーパーの出入りもあります。万が一大切なものが無くなった場合、変な疑いでせっかくできた友人を失ってしまうこともあるため、常に自分でしっかり管理する必要があります。

⑦安全な移動手段を利用

「せっかくフィリピンに来たから現地らしい乗り物に乗りたい」という気持ちはあるかと思いますが、いつでもタクシーを使うのが賢明です。

セブ島は電車がなく、市民の足となっているのは乗り合いバスの「ジプニー」、バイクタクシーの「ハバルハバル」、「タクシー」が一般的です。料金はジプニーが9ペソ(約20円)~、ハバルハバルが20ペソ(約50円)程度~、タクシーが初乗り40ペソ(約90円)~とどれもお手ごろ価格です。

ジプニーはスリやひったくりに遭うケース、ハバルハバルは運転の粗さからバイク事故や人気がない場所に連れられて性被害に遭うケースもあります。

現地らしい乗り物に乗りたい場合はセブ島に詳しい生徒や学校の先生に同行してもらいましょう。

万が一トラブルにあった時は?

外出先で犯罪や病気などトラブルにあった際にすぐに連絡がとれるよう、一緒に外出する友人や語学学校関係者、警察などの連絡先を登録しておきましょう。

全国共通

■警察・消防・救急    :911
■救急(フィリピン赤十字):143

メトロセブ圏

■警察:
○セブ市内:166
○マンダウエ市内:032-344-1200
○ラプラプ市内:032-341-1311 / 032-495-5593

■救急車:161(メトロセブ圏全般)

■消防:160(メトロセブ圏全般)
○セブ市内:032-256-0541
○マンダウエ市内:032-344-4747
○ラプラプ市内:032-340-0252

■病院(日本人が利用する主な医療機関)
○セブ市内
セブ・ドクターズ・ホスピタル(代表):032-255-5555
(ジャパニーズ・ヘルプ・デスク:032-318-6507)
チョン・ホア・ホスピタル(代表): 032-233-8000
(ジャパニーズ・ヘルプ・デスク:032-318-6057)
○マンダウエ市内
ユニバーシティ・オブ・セブ・メディカルセンター(代表): 032-517-0888
(ジャパニーズ・ヘルプ・デスク): 032-350-2656
マーヨ・メディカル(代表):032-888-2662
○ラプラプ市内
マクタン・ドクターズ・ホスピタル(代表):032-236-0000
(ジャパニーズ・ヘルプ・デスク):032-318-6063

■セブ領事事務所(代表): 231-7321、231-7322
国外からは(国番号63)-32-231-7321、-32-231-7322

※セブ圏=セブ市を含めた7市6町から成り立っているエリア※セブ島の市外局番=032

参考:外務省海外安全ページ「緊急時の連絡先」

まとめ

この記事ではセブ島の治安状況や犯罪に巻き込まれないための対策方法について紹介しました。まとめると

【セブ島で特に気を付けるべき地域TOP3】

  1. カルボンマーケット
  2. コロンストリート
  3. マンゴーストリート

 

【セブ島で留学生がよく巻き込まれる犯罪TOP4】

  1. スリ・置き引き
  2. ぼったくり
  3. トランプ詐欺
  4. 睡眠薬強盗

犯罪が多く発生しているエリアは、どれもガイドブックに載るほど人気の観光スポットでおこっています。そして買い物や教会を訪れていることもあり、その中に危険人物が入り混じっているということになります。

今隣にいる人が危険人物かもしれないという意識を常に持ち、楽しい留学生活を送りましょう。