フィリピンのスパルタ式語学留学とは?向いている人の特徴やメリット

フィリピンの語学留学にはスパルタ学校がありますが、スパルタと聞いてどんな授業を想像しますか?

  • 鬼教師がいて怖い
  • 朝から晩までとにかくビシバシ教えられそう
  • 授業は厳しい分、早く英語を習得出来そう
  • テストの成績が良くないと怒られそう
  • ついていけないほど地獄な授業

このようなイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。

実際には合っている部分と、そうではない部分があります。英語をマスターしたいと思っても一朝一夕にして上達できるわけでく、継続してコツコツと取り組むことが最短で学べるコツです。

スパルタ学校は継続してコツコツ勉強できる環境があるため、向上心の高い方から人気がある学校です。

 

そこでこの記事ではフィリピンの語学留学にあるスパルタ学校について詳しく解説していきます。学校選びに悩んでいる方はきっと参考になるはずです。

フィリピン語学留学の特徴

語学学校に通う生徒は「語学の習得と現地文化体験などプライベートを両立させたい人」「試験の点数を目標値まで向上させたい人」「欧米留学やワーホリに行くための事前学習をしたい人」などさまざまな理由があります。

それぞれ目的に合わせた学校を選択することとなりますが、どうやって選んだらいいのか分からないという方も多いはずです。

フィリピンには語学留学が数多く存在します。そしてそれらの学校は

①スパルタ学校
②セミスパルタ学校
③自由学校

の3つに分けられます。これら3つはどんな特徴があるのか紹介していきます。

※学校によって校則やルールが異なるため、それぞれ学校の特徴に全てが当てはまるわけではありません。

①スパルタ学校の特徴

とにかく厳しい環境が整っているのがスパルタ学校の特徴です。

■平日は外出禁止

スパルタ学校は月曜日から木曜日、または月曜日から金曜日の放課後は一切外出が禁止されているため、ショッピングやマリンスポーツなどのアクティビティに参加できるのは週末のみというルールがほとんどです。

学校の敷地内だけで平日過ごすということは「勉強に行き詰った時、苦痛になってしまいそう…」と思われがちです。しかし学校内には3食食事するスペースはもちろん、ジムやプールなどの施設が備わっていることがほとんどなため、学校の敷地内で息抜きをすることが可能です。

■イングリッシュ・オンリー・ポリシー

同じ国出身の人が母国語を話さないようにするため、学校内では母国語を話すことが禁止という「イングリッシュ・オンリー・ポリシー(English Only Policy = EOP)」制度が設けられています。

万が一母国語を使ってしまうと、罰金が発生する厳しさです。全生徒が強制的に英語を使うことで、英語力アップに繋がります。

■学習スケジュールが厳しい

欧米での語学留学の授業時間は午前中もしくは午後の早い時間に終わることが多いです。一方でフィリピン留学の場合は基本的に8時間程度の授業と学べる時間が長いのが特徴です。

フィリピンのスパルタ学校になると通常の授業の他に必須の自習時間が設けられているため、朝早くから寝る直前までびっちりとスケジュールが組まれています。

■テストが多い

毎日または毎週決まった時間に、単語や熟語のテストがあります。一定の点数がとれなかった場合はペナルティーとして週末の外出が禁止となることがあります。

②セミスパルタ学校の特徴

スパルタと比べて少しだけ制限が緩く、授業時間が1、2時間程度短くなるのがセミスパルタ校の特徴です。

■平日の外出制限はないものの門限はある

授業が終われば外食やショッピングに出掛けることができます。ただし22時前後の門限までに宿泊施設に入らなければ、ペナルティーとして宿題が多くなったり最悪退学となる学校もあります。

■テストがある

毎日または毎週決まった時間に、単語や熟語のテストがあります。スパルタ学校の場合は一定の点数を獲得することが必要ですすが、セミスパルタ学校はペナルティーがない学校もあります。

③自由学校の特徴

授業に出席することは必要ですが、基本的に縛られ過ぎないのが自由学校の特徴です。

■授業がない時間はいつでも外出可能だが門限あり

自由学校の場合の授業数は6時間~8時間程度です。授業時間は朝8時から夜の18時までなため、授業以外の時間帯は食事するため・近所のコンビニになどへ買い物に行くために外出することが可能です。

授業が完全に終わる夜18時以降は外食やショッピングに出掛けるのももちろん可能ですが、生徒の安全を守るため23時や24時には門限を設けていることがあります。

■テストは1ヶ月に一度

試験対策コースの場合は模擬テストから実際のテストがあるため回数は多くなりますが、一般的なコースの場合は月末や月初など決められた日にテストを行います。

それぞれの学校の1日スケジュール

「スパルタ学校」「セミスパルタ学校」「自由学校」は授業時間の差があるとお伝えしましたが、具体的にどのようなスケジュールになっているのでしょうか。順番に一日のスケジュールを見ていきましょう。

スパルタ校の一日のスケジュール例

   7:00~8:00 朝食
   8:00~12:00 午前の授業4コマ(1コマ/50分)
 12:00~13:00 昼食
 13:00~18:00 午後の授業4コマ(1コマ/50分)
 18:00~19:00 夕食
 19:00~20:00 単語・熟語のテスト
 20:00~22:00 義務自習
 22:00~7:00 プライベート時間・就寝

*週末のみ外出OK。金土:23時門限

セミスパルタ校の一日のスケジュール例

   7:00~8:00 朝食
   8:00~12:00 午前の授業4コマ(1コマ/50分)
 12:00~13:00 昼食
 13:00~18:00 午後の授業4コマ(1コマ/50分)
 18:00~19:00 夕食
 19:00~20:00 単語・熟語のテスト
 22:00~7:00 プライベート時間・就寝

*毎日外出OK。月~木・日:22時、金土:23時門限

自由校の一日のスケジュール例

   7:00~8:00 朝食
   8:00~12:00 午前の授業4コマ(1コマ/50分)
 12:00~13:00 昼食
 13:00~18:00 午後の授業4コマ(1コマ/50分)
 18:00~19:00 夕食
 20:00~7:00 プライベート時間・就寝

*毎日外出OK。月~木・日:23時、金土:25時門限。
自分が受ける授業が終わり次第、外出することが可能です。(例:午前中から授業を連続で8コマ入れ、16時以降はフリー)

スパルタ学校のメリット&デメリット

ここまでスパルタ学校についてお話ししてきましたが、「すごく厳しくて辛そう…」と感じてしまった方もいるでしょう。

実際には厳しく辛い生活になるかもしれませんが、人によってはメリットにもデメリットにもなります。それではどういった点が良い点・悪い点なのでしょうか。

①日本人が少なく英語漬けの環境
②平日はひたすら勉強に集中できる環境
③1日がハードスケジュールで体力が必要
④英語力の向上や意識高い人が集まる

⑤テストの結果で自分の成長・成果を常に把握できる

⑥韓国料理がメイン

①日本人が少なく英語漬けの環境

スパルタ学校やセミスパルタ学校のほとんどは韓国人経営(韓国資本)で、韓国人留学生が多くを占めています。必然的に日本人の割合が少ないです。

また学校の規則でイングリッシュ・オンリー・ポリシー(English Only Policy = EOP)を厳守していることもあり、「100%英語の生活=常に英語漬けになれる環境」が整っていると言えます。

つまり授業中での先生と生徒との間での会話はもちろん、生徒同士で話す言葉も英語となるため、「自ら進んで学習するのが苦手」「強制力がないと怠けてしまう」という方は特に勉強に集中できるスパルタ学校がおすすめです。

しかし英語初心者の場合は知っている単語や表現の仕方が乏しいので、授業のことや学校のことなどちょっとした質問でさえもかなりストレスになってしまうことがあります。どちらかと言えば中級・上級者向けの傾向があります。

②平日はひたすら勉強に集中できる環境

授業・テスト・義務自習と平日朝早くから夜遅くまで厳しいスケジュールが組まれ、英語力アップに特化した軍隊的な教育環境です。

授業中で分からないことがあった場合は飛ばして進めていくのではなく、分かるまで徹底的に教えるスタイルの講師が多いです。そのためスパルタ方式であれば「週末めいいっぱい遊ぶために、平日は一生懸命頑張ろう」とメリハリがつけやすくなります。

しかし「1日中時間を管理されるのが苦手」「英語学習のモチベーションが低い」「自分のペースで勉強いたい」という方は不向きな環境と言えるでしょう。

自由学校の場合はショッピングや旅行など、いつでも自由に行動できるのが特徴ですが、「遊びの誘いが多く勉強に集中できなかった=英語力が身につかずに留学生活が終わった」という方も多くいます。そのことから学校環境は個人の性格やモチベーション次第でメリットにもデメリットにもなると言えるでしょう。

③1日がハードスケジュールで体力が必要

スパルタ学校は強制的に学習できる環境が整っているのが特徴ですが、過密なスケジュールに加え、テストで合格しなければ週末出掛けられないという厳しいルールがあります。日々の復習・予習に加え、テストに合格するための対策学習も必須となります。

慣れない海外生活・厳しい環境で体調を崩しやすくなるため、心身ともに体力がない方やストレスを抱えやすい方はスパルタ学校には向いていないと言えるでしょう。

④英語力の向上や意識高い人が集まる

授業スケジュールが厳しくイングリッシュ・オンリー・ポリシーが掲げられている中で学習したいと考える人のほとんどは、「試験に合格したい」「英語力の向上を目指したい」と意識の高い人が多く集まります。

モチベーションが高い方は英語力を伸ばしやすいですが、反対にモチベーションが低い人や勉強と観光の両方を目的としている人は辛い留学生活となってしまうことでしょう。

⑤テストの結果で自分の成長・成果を把握できる

毎日または毎週、単語・熟語のテストがあります。テストを受けることで自分の弱点が見つかったり、強制的に英語力を伸ばすことに繋がります。

テストに合格しなければ週末の外出制限やその他ペナルティーが課せられることがあるため、「定期的にテストを受けるのはしんどい」「テストの結果はあまり気にしない」という方は向いていないでしょう。

⑥韓国料理がメイン

先ほどもお伝えしましたがスパルタ学校やセミスパルタ学校は韓国人経営(韓国資本)がほとんどです。韓国人留学生が多くを占めていることから、食事も韓国人に合わせた韓国料理がメインとなります。

辛いのが苦手、韓国料理に使われる食材が苦手という方は、毎食辛い思いをすることでしょう。

スパルタ校に向いている人の特徴

スパルタ学校のメリットとデメリットについて理解できたかと思いますが、実際どのような人が向いているのかまとめました。スパルタ学校を選ぶべきかどうか悩んでいる方はぜひ自分の性格や価値観と照らし合わせて考えてみましょう。

①体力がある方
②英語の習得が最優先の方
③短期集中型の方
④追い込まれて力を発揮できる方
⑤試験対策をしたい方
⑥二か国留学・ワーホリの予定がある方

①体力がある方

スパルタ学校は授業時間に加え、テスト時間、自習時間があります。自習時間の間に宿題や予習・復習が出来ない場合は、さらに多くの時間を費やさなければなりません。そのため体力と根性があることが、スパルタ学校に入学する必須な条件とも言えます。

②英語の習得が最優先の方

観光やフィリピン文化を楽しむのではなく、とにかく英語力の向上に集中したい方は最適です。セブ島はショッピング、市内観光、マリンスポーツ、近隣の島々へ旅行、カジノ、クラブなど遊ぶところがいっぱいあります。

規制が緩い学校では毎日のように学生同士で出掛けることがほとんどなので、中級・上級者の意識が高い人や真面目な生徒は環境に馴染みやすいでしょう。

③短期集中型の方

6ヵ月スパルタ校で学習し続けるのは集中力が切れてしまい、退学してしまう人が出てしまう可能性があります。しかし1ヵ月~3ヵ月程度の短期・中期留学の場合は、限られた時間の中で成果をあげようと、集中して勉強に取り組めるはずです。

また平日は外出出来ないという理由から学生同士の絆が深まり、切磋琢磨することで学校全体の士気を高めることにも繋がります。

④追い込まれて力を発揮できる方

学習する時間がある・いつでもできるといった環境では自ら学習することは億劫となり、やらなくなる方がほとんどです。

管理されたスケジュールで学習し、「週末出掛けるためにはテストに合格しなければならない」といった追い込まれることで力を発揮できるという方は、学習する環境を強制的に作るスパルタ校はぴったりです。

⑤試験対策をしたい方

TOEIC、IELTS、TOFLEなどのスコアを上げたい方におすすめです。また過去問題や予想問題を反復練習でひたすら打ち込んでいくため、4技能(聞く・読む・話す・書く)の英語コミュニケーションを、バランスよく伸ばしたいというにもぴったりです。

スパルタ学校の中にもいくつかのコースが用意されているため、スコアアップの実績がある学校を選ぶのが良いでしょう。

⑥二か国留学・ワーホリの予定がある方

欧米への語学留学は基本的に語学力が高く、フィリピン英語と比べてネイティブの話すスピードはかなり早いのが特徴です。ある程度レベルが高くなければ欧米に行ってもついていけないため、フィリピンのスパルタ学校でビシバシ学習してたい方におすすめです。

ワーキングホリデーに行く予定がある方の場合は語学力によっては職業が制限されるだけでなく、報酬(給料)にも差が出てきます。いずれも実生活で使えるような実用的なコースを選択すると良いでしょう。

まとめ

この記事ではセブ島のスパルタ学校の特徴について紹介しましたが、最初にイメージしていたスパルタ学校と違いはありましたか?一度まとめると

  • スパルタコースは名前の通り一般コースと比べてかなりハードで、体力を必要とする
  • 平日の外出ができないため、学習に専念するか学校内での楽しみを見つけることでリフレッシュするしかない
  • その分勉強時間は確実に確保できるうえ、結果が残りやすい環境が整っている

ということです。「必ず英語を習得して成長するんだ!」と気合を入れて留学へ行っても、自由学校でさえ体力をかなり消耗し、息がつまってしまうことが多々あります。

  1. 「放課後や週末に息抜きをした方が勉強の効率が良い」と考えて自由学校を選択する
  2. 外出の制限が強制的にかかることから「やるしかない環境に身を置き自分を追い込み」スパルタ校を選択する

1と2ではどちらがあなたに合っていますか?

「学校」と「コース」選びは非常に重要なポイントとなります。自分自身の性格や留学の目的を把握すること、なりたい自分をしっかりイメージすることで自分にぴったりの学校を見つけていきましょう。